クーラーに当たりすぎて風邪をひいたみたいなんだけど、1ヶ月くらい治らない。
熱っぽかったり喉が痛いのだけれど・・・
こんな話をよく聞きます。
でもそれって風邪なんでしょうか?
東洋医学では熱には実熱と虚熱があると定義しています。
実熱というのは実際に体温が上がること、虚熱というのは熱がないのだけれど熱っぽいと感じること。
実熱というのは陰の気は通常なのだけど、陽の気が通常より多くなっている場合です。
この実熱というのが俗にいう風邪の状態。
通常の状態に風の邪気が余分に乗っかっている状態ですね、病気になるときに風邪と書くのは風邪(ふうじゃ)が入っている状態を指す東洋医学用語がそのまま使われているんです。
じゃぁ虚熱ってなに?ってなりますよね。
虚熱っていうのは陽の気は通常なのだけど、陰の気が通常より多くなっている場合です。
陰の気はガソリンみたいなイメージなのですが、液体の状態では冷たいのでものを冷やすことができます。
なのでエネルギーであり暖かい陽の気が強くなりすぎないように冷やす役割を持っているんです。
ただ、水ではなくガソリンと例えたのには訳があり、陰の気はエネルギーそのものなので普段は冷やす役割でも陰の気を燃やすことでエネルギーを作り消費します。
東洋医学では津液(水のことをしんえきって言います)と気が合わさると血(けつと読みます)ができると言われています。
血とは陰のものなんですね。
仕事が忙しすぎて疲労がたまるととエネルギーである陰の気をどんどんと使っていきます。
陰の気は腎に多くあり、疲れると腎の陰気がどんどん消費され腎陰虚と言う状態になります。
さらにそれでも消費すると肺の陰気も不足し始め、肺腎陰虚という状態になります、これは肺と腎というのはお互いに陰気を共有していると言う背景があるんですね。
そうすると肺は喉を司っているので喉の潤いがなくなったり、痛みが出てきたりします。
夏場はただでさえ日差しが強く疲労もたまり、水分も奪われていきます。
風邪だと思って薬を飲んでも、根本を変えなければどうにもなりませんよね。
この肺腎陰虚は基本的には腎の陰気が不足して起こすことがスタート地点になります。
特に虚熱という熱がないのに熱っぽいというのは疲労が溜まっている証拠みたいなものです、そこに寝汗が加わると更に陰虚が疑われます。
陰虚解消はしっかりと睡眠をとり疲労を回復したり、仕事が忙しすぎる場合はコントロールをして疲労を溜めすぎないようにすることが大事なんです。
夏風邪?と疑う前に、まずは疲労を疑ってみるといいのではないかなと思います。
とはいえ、黄色い鼻水が出たり悪寒が出たり痰が出るようになったら細菌感染の疑いが強まるので、市販の薬ではなく病院にいって抗生物質をもらってくださいね。