さて、渋皮煮のお話がありましたので、次は栗のお話です。
栗の渋皮煮は、マロングラッセの和風版と言われています。
この違いは、マロングラッセは渋皮も剥いたものを砂糖で煮詰めていきます。
渋皮を取ると栗は中で割れていますから崩れてしまいます、それをガーゼで包んで煮た後に、砂糖でコーティングするのがマロングラッセ、一週間くらいかかります。
マロンとは栗のこと。。。。。。ではないんです(笑)
マロンというのはマロニエと言う木の実なんです。
ちなみに、マロンはフランス語でチェスナッツが英語です。
しかし、その後栗の実の方が美味しいので栗で作り始めました。
今ではフランスでも栗の実を使って作られていますが、あちらで使われる栗は渋皮が大変剥けやすく、ああやって栗の形をそのままこ残して剥けます。
天津甘栗に使う栗も渋皮は剥けていますよね?
しかし、日本の栗は違います。
和菓子などによく使われる「銀寄(ぎんよせ)」と言う栗は、渋皮を剥こうと思うとそれはそれは大変なのです。
この銀寄というのはよく言う丹波栗です、丹波栗と言うのは品種の名前ではなく、丹波で育てられている大玉の栗のことを丹波栗と言います。
丹沢、筑波、石槌などがあり、料理によって使い分けられていますが、その中でも銀寄は高級品として売られています。
これらの栗は渋皮が剥けづらいということもあり、渋皮をつけたままお菓子にする渋皮煮ができたのではないかと思っています。
最近では、この和栗と中国栗を掛け合わせた「利平」と言う品種が出回っており、私は銀寄か利平を使って渋皮煮を作ります。
利平は特に甘みが強く味が濃いのが特徴で、渋皮煮にすると栗の味がドーンと前に出てきます。
しかし、この利平のもう一つの特徴が渋皮が剥きやすいというのがあるんです、栗ご飯とかにするときにはいいのですが、渋皮煮にしようとするととにかく煮くずれが激しいのです。
銀寄はしっかりと栗の味を残しながらも、少し控えめな甘みになっています、私は実はこちらの銀寄の渋皮煮の方が好きなのですが、作る時期とかの都合により利平を買うことが多いです。
銀寄は渋皮が取れづらい分、煮くずれがしにくいので渋皮煮を作るのにはとても適しています。
このように、栗といっても様々な特徴があるので、ご家庭で栗を買うときに少し参考にしてみてくださいね、。