中国式鍼灸と日本の古典鍼灸

世田谷区 上北沢の鍼灸院 Five Elementsです。

 

昨日のコラムで少し触れた中国式鍼灸と日本の古典鍼灸についてです。

これから書くことは人によって様々な解釈や感じ方があるので、鍼灸師さんによっては「それは違う!」と言われてしまうこともあるかもしれませんが、あくまで私の意見として書かせてもらいます。

 

中国式鍼ってどう言う感じ?

良く「中国鍼は痛い」と言いますが、これに関して言うと中国鍼という鍼の種類と、中国鍼の本来の打ち方は確かに痛いです。

中国鍼というのは鍼先の形や太さが日本の鍼とは違うんですね、あとは鍼菅と言う菅を使わずにブスッと刺すので痛いんです。

ただ、ここに関して言うと、鍼菅を使わなくてもやりようによっては痛くなくできるんです。

ただ、中国の方は痛い鍼の方がパワーがあると感じている方も多いらしく、もしかしたらあまり痛くしないと言う考え方はしないのかもしれません。

なので、私のやり方は中国鍼というよりも日本の針を使った中国式鍼灸という感じです。

それに付け加えて、現代鍼灸的手法も取り入れていますね。

中国式では脈を見て舌を見てお腹を見て。。。という感じで症状を読み取っていくのですが、私はとにかく始めは話を聞くことだと思っています。

なので、初診の場合はお話を聞くのに30分ほどかかる場合もあります。

日頃どういう仕事をしているのか、どういう動きをすることが多いのか、睡眠は取れているか、睡眠はどんな感じか・・・

などということを聞いていきます。

その中からポイントをいくつか見つけることで東洋医学的な「証」というものを導きだします。

例えば、【日頃から仕事が忙しく寝る時間もあまりない、眠りも浅く寝汗を良くかく。手足はいつも火照っていて疲れて来ると顔も火照る。イライラが常にあって食欲もあまりなくお腹は下し気味】と言う方がいたとすると、『肝腎陰虚 肝気犯脾』と言う証をイメージします。

その上で、脈や舌を確認し、それに対応した鍼をしつつ、腰痛や肩こりに関しては筋肉に対する鍼もしっかり行う。

もちろん、顔色や顔の表情、言葉の感じ、肌の色なども色々と参考にしています。

 

現代鍼灸ってどう言う感じ?

簡単にいうと、ツボとか経絡というものにあまりこだわらず、筋肉や神経というものに重点を置いたやり方です。

腰や頚椎からくる神経症状や腰痛そのものに対して、筋肉を緩める目的や神経症状の改善を目的にして、神経近くに鍼を入れて症状を改善するやり方です。

電気によって筋肉を動かしていく手法なんかも含まれたりしますね。

接骨院などの部分的な鍼もこれに属することが多いです。

 

日本の古典鍼灸ってどう言う感じ?

経絡治療と言われるものや、そのほかにも様々なものがあるのですが、その中でも経絡治療というものをお話しします。

経絡治療というのは体の中に走っている経絡のどの場所にどういう異常があるかを見出して整えていくことを主としています。

中でも脈診といって手の脈のどこがどういう脈状をしているかというのを特に重要視していて、経絡治療の流派によってはほぼそこだけで状況を見極めるようなやり方もあります。

筋肉に対する鍼を使ったりもするのですが、総じて鍼は浅めに刺し、まずは経絡を整えることを最重要としています。

鍼の本数も少なめで、じんわりと効かせていくようなやり方が多いように感じます。

 

それぞれ重点が違う

あまりピンとこない人も多いかもしれませんが、それぞれ何をメインに見ているのかが違ったりもします。

中国式の場合は、気血津液というものを重要視することが多いです、気と血はわかりやすいですよね?でも、血は「けつ」と読み、私たちが見ている赤い血とは違うものなのです、津液というのは水分で、気と津液が混ざると血になると言われています。

その気血津液がどういう状態で、それが臓腑にどういう影響を与えているかが大事なんです。

臓腑に気が少なかったり、気が滞っていたり、血が滞っていたり、津液が溜まってしまったり、邪気が入り込んでしまったり・・・

そういう様々なものを見ていきます。

 

経絡治療は先ほども書いた通りに特に肝・心・脾・肺・腎と言う陰の経絡をメインに調整していく手法が多いです。

この状況は脈に出ていることが多く、脈のどこがどのように打っているかでまずは判断し、その裏付けを腹診などで補っていくようなイメージでしょうか。

専門ではないのでここはあまり書くと批判されてしまいそうですね(笑)

 

現代鍼灸はスポーツ鍼灸などと言われることもあり、筋肉を弛緩させたり柔軟性を出したりすることに使われることが多いですが、スポーツ鍼灸でも経絡をつかたりするので一概には言えません。

 

私は、鍼灸の流派によっては得手不得手があると思っています。

これも批判を浴びることもありますが、鍼灸ならどんな症状も必ず治せるとは全く思っていません。

これはガンもしかりです。

いろんな鍼灸というのがあるので、ご自身の考え方や改善したい症状によって色々と相談されて見てはいかがかなーと思っています。

 


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