はりと梅雨時と胃腸 | 世田谷区上北沢の鍼灸院 Five Elements

はりと梅雨時と胃腸

部屋とワイシャツと私みたいなニュアンスの題名にしようと思ったのですが、ちょっと失敗に終わった感じが否めません。

 

先日、木、火、土、金(金属)、水の五つの要素は季節を司り、土は土用であり梅雨であるというコラムを書きました。

この五つの要素は、人の臓腑も司っています。

東洋医学では、臓とは実質(中が詰まっている)であり、腑は中空(中はからっぽ)であると言う定義があります。

陰陽で分けると臓は陰で腑は陽になります。

五臓六腑と言いますが、本来は六蔵六腑で、臓腑の一つづつに目に見えない臓器があると考えられています。

目に見えないものを引くと五臓五腑、これを五行に当てはめるのです。

◆木の臓は肝、腑は胆

◆火の臓は心(心臓)、腑は小腸

◆土の臓は脾(脾臓)、腑は胃

◆金の臓は肺、腑は大腸

◆水の臓は腎、腑は膀胱

臓と腑は表裏一体で、お互いに密接な関係があります。

なるほどねーと納得できるものもあれば、なんで?って言うものもありますよね。

さて、土は脾と胃です。

脾臓・・・・・・あまりパッと何をするものか思い浮かびませんよね?

脾臓とは西洋医学的には血液を壊したり、免疫細胞に関わったりします。

その脾臓と胃がどんな関係があるの?って思いますよね。

実は、東洋医学における脾とは、膵臓を指します。

昔、翻訳をした人が間違えたのが間違いの原因とも言われています。

そう考えると膵臓と胃は消化器系の要ですから意味が通りますよね。

東洋医学で最も大切な臓器は脾だと言われています(腎とする場合もあるのですが、割愛します)。

東洋医学では、人が生まれる時に父親と母親からもらった木「氣」を腎に収めていると言われていて、これを先天の精と言います。

人はものを食べないと生きていけません、食べ物を食べてそれを氣にしたものを後天の精と言い、後天の精は脾で作られる。

先天の精と後天の精をミックスすることで人は生きることができ、先天の精が無くなると死に至る(寿命)といわれています。

その大事な大事な脾なのですが、脾を一番傷つけやすいものがあります。

土の属性の邪気は湿邪、土の属性の臓器は脾、つまり湿邪は脾を弱らせるのです。

この時期食欲がなくなるなー何ていうのは湿邪が脾を痛めているからと言われています。

脾が弱っているときの症状の代表例は、食欲がなくなる(食べる量が少なくなる)、お腹を下す(泥状便が出る)、内臓下垂などが挙げられます。

脾は氣と血を作る臓器ですから、脾が弱りすぎると様々な症状が出てきます。

この脾を傷つけないように、薬膳では梅雨時は湿をさばく食べ物なんていうのもあり、代表的なのは豆類、とうもろこし、はと麦などと言われています。

鍼灸の分野では、脾を傷つけているものが何なのかを見定め、湿邪の場合は湿をさばく経穴(ツボですね)を使用し、尿や便で排泄させたり、脾は湿を嫌うが胃は湿を好むなんて言葉があるのですが、胃の方に湿を移動させてあげたりします。

食欲がないなーとか、お腹を下して困っているとか、むくみがひどいとか、頭が重い、手足が重だるい、めまい、耳鳴りなどの症状が出たときには鍼灸で少し改善するかもしれないなと思いついていただけると有り難いなと思います。

ちなみに、脾を傷つける他の要因としては。。。ストレスがあります。

良くストレスが溜まると胃が痛くなりますよね、良くいう胃炎や胃潰瘍です。

何故そうなるのかなんて事も今後書いていければいいなと思います。

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